昨今のIT技術の発展は目覚ましいものがあり、私達の染色業界もこの時代の流れに乗り遅れない事が急務でした。1988年、藤木友禅型製作所では、スクリーン捺染型製造工程の中でも比較的デジタルに対応しやすいトレース工程に目を向け、セルフィルムに一枚一枚手で描かれたトレースをデジタルデータ化する事に着手しました。当時のPCのスペックは現在とは異なり遅く、処理できる画像サイズ・解像度にも限界があり、手トレースにはスピード、 クオリティとも及びませんでした。しかし、この時期に職人の技術とデジタルとの融合を実現してゆかなければならない事を確信していました。
そんな時代を経て藤木友禅型製作所のスクリーン捺染型トレース部門は手トレースとPCによる デジタルトレースの2本立てでの時代を歩み始めました。 序々にではありますが、熟練した技術を持つ職人(トレッサー)が使い慣れた筆やペンを マウスに持ち替えるようになってきました。この熟練した職人がPCを使いこなし、デジタルトレースをする、これがクオリティを保った形でのデジタルへの転換の成功の大きな要因と考えています。
PCのスペックも、そう長い時間を待つ事もなく飛躍的に向上し、手トレースの スピード、クオリティに近付きました。ここで、PCの性能如何でトレースの納期は、 格段にスピードアップする事が明確でした。
1996年藤木友禅型製作所では、将来性の高いデジタルトレースに特化した部門として、クリック事業部を設立しました。クリック事業部は、スクリーン捺染型トレースのデジタルデータ化による利便性の活用を主な課題とし、藤木友禅型製作所を含めた形での社内ネットワークシステムの構築を図りました。このネットワーク構築で社内の工程全体がスムーズに流れるようになり、高いクォリティを保ちつつも 短納期に対応できるようになり、染工場様にもご支持を頂いています。
現在クリック事業部が誕生して12年目を迎えています。クリック事業部のこれからの課題は、インターネットを利用した、アパレル迄を含んだ繊維業界・染色業界全体のネットワークシステム構築です。これからもクリック事業部は更なる進化を続けてまいります。
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